「鏡のごとく」という言葉をご存じないだろうか。
これは自分が相手をどう思っているかで、逆に相手も同じような思いを自分に向けるという考え。
つまり、自分が好きだなと思う相手は自分に対して好印象なことが多いし、
逆に自分が嫌いだと思う相手は、相手も自分のことを嫌いなことが多い。
対人関係で悩みがないという達観した人はお坊さんくらいだろう。
人間関係で特に最近、どうしたら良いか悩んでいる人へ是非読んでいただきたい。
筆者自身もこの考え方を日常的によく使い、苦手な相手との関係改善に努め、効果を実感している。
人生で一番の悩みにもなるし、豊に生きる糧にもなる、それが対人関係。
そういった対人関係の一助になれば幸いだ。
「鏡のごとく」とは
相手の感情は鏡のように、自分の感情を映し出す。
それは自分の思いや感情が相手に伝わり、相手も自分と同じ感情になるという考え方だ。
あなたが「この人嫌いだなあ」と思う人は、
相手もあなたに対して「この人嫌いだなあ」と思っていることが多い。
もちろん、この逆もあり相手を好印象に思っていると、相手も自分に対して好印象だ。

相手に対する感情は自身の様々なところから溢れ出る。
相手を見る目や、話を聞く態度、所作で作られる微妙な雰囲気、話す言葉の微妙なニュアンス。
これが伝わり、感情が分かってしまう。
どんなに感情を殺しても、長く居る人や思いを強く寄せる人にはどうしても伝わってしまうもの。
人間というのは単純なところもあり、相手から好かれると自分も好きになってしまう。
逆に嫌いに思われると自分も嫌いになってしまう。
あなたのことを好印象に思ってくれる人とは仲良くなりたいだろう。
しかし、あなたを嫌いだと思う人と、あなたは仲良くなりたいとは思わないはずだ。
人間関係を整理してみる
好きな相手、職場の好きな先輩
基本的に好きな相手とはいつ会っても心地の良いもの。
職場の先輩や上司でそんな人間がいると安心して仕事ができるし、職場の雰囲気も自然と良くなる。
そして、あなたの所作や表情から好印象が伝わり、周りの人たちも気分が良くなる。
そもそも「ムードメーカー」や「人たらし」には、他人が好きな人が多いと思う。
心根に他人が好き、対人関係が楽しい、と思うことができれば、相手からも好印象を得やすい。
そんな人が周りに居たら是非立ち振る舞いだけでなく、心情を聞いてみるといいかもしれない。

また、「この人とこんな関係になりたいなあ」、「恋人同士になりたいなあ」と心の底から思って相手と接することができれば相手もそう思ってくれることもあるだろう。
ここでは邪な気持ちがない、純粋な気持ちであることが重要だろう。。
嫌いな相手、苦手な上司
さて、どちらかというと悩みの種となるのは嫌いな人、苦手な先輩・上司だろう。私にもいる。
人間一生懸命に生きていたら、必ず誰かからは敵に認定されるもの。

しかし忘れてはいけないのが、相手の立場からも同様に嫌い・苦手と思うということ。
一方的にこちらが相手を嫌い・苦手に思っているのではなく、お互いにそう思っているのだ。
基本的に自分がAさんを嫌い=Aさんは自分が嫌い。の公式が成り立つ。
必要以上に相手を憎まない
前章で嫌いな相手、苦手な上司について触れたが、自分の感情というのは相手の心にも映るもの。
ここで相手を許せず極端に憎んでしまうとどうなるのか。
想像に容易いが、やはり相手もこちらを極端に憎むようになる。
結果的にただの苦手同士から憎み合う者たちに変容してしまうのだ。
こうなってしまった場合は元の関係に戻ることも難しくなる。
「いつか殴ってやる」、「復讐してやる」、「突き落としてやる」。
こんなことを人から思われたいという人は当然いないが、相手に思ってしまうことはある。
しかし、相手に思ってしまったということは相手からもそう思われたり、思われてたりするもの。
まさしく鏡のように自分の心が相手の心に移り、相手を思う気持ちだったものが
自分を相手が思う気持ちになってしまう。

人間生きていれば憎らしく思う人が人生に少なからず現れる。
その憎らしく思える人間の心も、自分の心を映す鏡ということを肝に銘じておかなければならない。
重要なのは
必要以上に相手を思い返して自分の心の中で憎悪を膨らませないことだ。
そもそも、嫌な相手のことを、対面していないときにも考えてしまうのは
時間がもったいない。
気分転換が必要ということになる。
無理に好きになろうとしない
では、嫌いな相手も好きに思ってしまえば人間関係は楽になる。
と考えた人もいるはず。
だが、無理に好きだと言い聞かせても自分の心は偽ることができない。
偽ることができたとしても綻びが生じて、些細な事でまた苦手に感じたり嫌になるだろう。

取り繕い続けても、取り繕っている人独特の感情の漂い方、ぎこちなさが相手に伝わる。
最終的にはそのぎこちない感情が相手の心に映され、ぎこちのない関係になる。
憎み合う仲よりはいいかもしれないが、会って話すのも億劫なぎこちのない関係もきっと辛いはず。
自分を偽ることも辛いうえに、結果として得られるのはぎこちのない関係…。
人間関係、そう簡単にはいかないものだ。
ここで落胆した方へ次の章で無理に好きにならなくてもいい方法を紹介する。
「かわいいとこある」が最強
「かわいい」は最強の感情だ。
読者の方が猫好きかどうか分からないが好きな人は多いはず。
私が猫好きなので、ここでは猫を例えとする。
猫で考える「かわいい」という感情
猫というのはまず、かわいい。
しかし、飼うと分かるが部屋の物を手当たり次第にひっくり返す。
液体が入ってようが、ワレモノだろうがお構いなしに。飼い主は掃除の毎日を送ることになる。
当然うんちやおしっこもする。お気に入りの家具で爪を研ぐ。
夜中に走り回って身体を引っかかれるだろう。
ここまでされれば、さすがのお坊さんでも怒るはず。(お坊さんとは…)
でも、しばらくして気が落ち着いたら、やっぱりかわいいと思ってしまう。

この「かわいい」という感情には一種の妥協も入っている。
他に多少嫌な事をされてもある程度は目を瞑ってやろうという気になる。
もっと症状が進むと、迷惑な行動ですら、かわいいポイントを見出してしまい憎めなくなる。
あの人の「かわいい」を発見する
この「かわいい」の感情を応用する。
例えば、「あいつと一緒にいるのは嫌だ」と一つの感情だけでなく、もう一つの感情をプラスする。
それは「あいつのことは嫌いだが、着ている服はダサくてかわいい」というような感情だ。
すると今日はどんなダサい服を着てくるか、なぜその服を選んだのか興味が湧いてくる。
そして実際に会ったら尋ねてみた結果「こいつはアホだな」とか思うと愛嬌が湧き心が和み始める。
そうしていつの間にか、不思議と一緒にいるのがそこまで嫌ではなくなっている。

苦手な、嫌いな相手に猫的かわいさ要因を見つけることが自分の心を偽らずに
少し相手を許すことができるのだ。
そんな自分の心を相手もまた映しだし、いつか相手も自分の一部を容認し始めるだろう。
鏡は向かい合う自分を映すもの
自分の心・感情・思いが、相手の心を鏡として映し出される。
そして映った感情を相手として自分が見ている。
いつも不機嫌な人は周りの人間も皆不機嫌に見えるし、上機嫌な人は周りも上機嫌に見える。
こう考えると精神衛生を保つということは案外非常に大切だということが分かる。
一つ注意すべきポイントがある。
それは対面を映す鏡は、実際に会っているときに最も効果が出るということ。
電話やメールのやり取りでは、声や文字にしか感情が乗らないため映しだす鏡としての要因を
満たさないということだ。
つまり、直接会わない場合では自分の感情と相手の感情が同じになりにくい。
大事な人や関係を深めたい人なら直接会うのがおすすめだ。
感情を制御して応用する
人間は感情を制御できる生き物。
制御せずに思うまま相手にぶつければ、同じちからで自分に返ってくる。
難しいことだがもし感情を制御できれば得られる恩恵は多いはず。
そこで気分転換は感情を制御するのに非常に有効な手段。
嫌な予定や億劫な商談に行くときでも、自分の気分が良ければ上手く運びやすいもの。
自分の機嫌を自分で取れる人は強かだ思う。

うまくいくと思っている人と仕事をしていれば、こちらまで本当にうまくいく気持ちになる。
楽しいと感じている人と一緒にいれば、こちらまで楽しくなってきてしまう。
感情が対人関係や環境に与える影響は果てしなく大きい。
前述の「かわいいとこあるなが最強」も活用しながら苦手な上司の心に上機嫌を映してみてほしい。
ある意味、思うことが現実になるという考え方もできる。
有名な著書「引き寄せの法則」にも通じるものがあるため、興味があれば読むのもいいだろう。
鏡のごとくでは自分の精神衛生を保つことと、相手ではなく自身の感情を制御することが大切。
普段から上機嫌でいるには、様々手法があるがお気に入りを見つけておくと良い。
心地よく日常を過ごすことで良好な対人関係や環境、ひいては幸せをを引き寄せていきたい。
ちなみに最近私が実践した{苦手な上司の「かわいい」ところを見つける}は、
飲み会の翌日ほぼ確実に二日酔いで、しかもちゃんと寝ぐせをつけて出社してくる所だ。
60歳近くなっても上司になっても人間の本質はそこまで変わらない。次の飲み会が楽しみだ。



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